完全養殖! コープさっぽろの販売するマルハニチロのマグロを食べた。
マグロの養殖は、日本の養殖業界にとって最後の砦ともいえる存在でした。
かつては、捨てられるだけの下魚として扱われていたマグロも、醤油の普及により急速に利用度が広がり、今ではなくてはならない存在です。
しかし、非常にデリケートな存在であるマグロは、その養殖が難しく、実現が困難とされていましたが、2014年に近畿大学が養殖に成功した、ということから、マグロ養殖事情は大きく変貌を遂げてきたのです。
そんな養殖業界の大事件から2年を経過した、2016年、6月11日。
水産大手であるマルハニチログループの技術と協力のもと、コープさっぽろで、完全養殖マグロが売り出されることになりました。
大型店舗を中心に販売することから、すぐに家庭には届かないかもしれませんが、いち早く食べることができましたので、食レポートがてら、紹介してみたいと思います。
完全養殖とは
突然ですが、養殖に完全も不完全もあるのでしょうか。
そのあたりについては、不完全養殖というのはないと思いますが、完全養殖の簡単な考え方について書いていきます。
天然のマグロ(親となる魚)から卵を採取します。
その卵から孵ったマグロが第一世代です。
そして、その第一世代マグロが産んだ卵から孵った存在こそが、完全養殖と呼ばれる状態なのです。
養殖をすることで何がいいかと言いますと、安定的な供給が可能になるという点です。
農作物でも何でも、だいたいの収穫量っていうのがわかります。
種をこれだけ植えるから、これだけの収穫が見込める。
それこそが農産物のいいところです。
現在のスーパーというのは、品揃えの多寡はあったとしても、今日は野菜が一つもありません、なんていうスーパーにはみなさん行かないはずです。
鮮度は別として、常に野菜というのはあります。
それというのも、ある程度収穫量が想定できるからなのです。
ですが、海産物となるとそうはいきません。
猟師さんは長年の勘と経験を頼りに、船をだし、網をかけたり、釣竿で一本釣りをしたりするのです。
これでは、マグロが食べたくても、とれないときだってあるはずなのです。
様々な魚が養殖されてきましたが、マグロは非常に弱く。常に動き続けなければすぐに元気をなくしてしまうという性質から、養殖が困難とされてきたのです。
しかし、今回、まさかの完全養殖がなしとげられたことは、マグロが好きな日本人からすると、朗報なのです。
また、他国においても日本食ブーム等により、マグロが食べられるようになってきたことから、資源の枯渇が懸念されていましたが、養殖が可能になれば、ある程度の収穫がわかるようになり、安定的な供給が可能になるのです。
っていうことで、買ってきました。
コープさっぽろで取り扱っている完全養殖マグロは、BLUECREST(ブルークレスト)というブランドになっています。
写真のものは、ブルークレストの文字こそありませんが、奄美大島で養殖をされているということを示すであろう、鹿児島産の表示がしっかりあります。
他のマグロがインド洋とかいう場合があるにもかかわらず、養殖という無骨な文字からは、自信がつたわってくるかのような気がします。
では、早速切ってみたいと思います。
生本マグロという名称をはるかに越えるであろうアブラのりの良さ。
マグロは水揚げ後の処理が品質に大きく関わるのですが、養殖という性質上、かなり処理が行いやすいと思われます。
そのため、マグロの鮮度も良好です。
切って盛った図です。色艶がよく、アブラが適度にはいっているのがわかります。
上質な肉のようにも見えるから不思議です。
肉と言うとミスジといった部分といわれたら、写真ではわからないかもしれません。
食べる。
ということで、頂きました。
見た目どおりのアブラ。
切り方の問題なのか、少し脂の間が固いような、ざらついた舌触りはあるものの、味はしっかりとしていて、従来のマグロとなんら遜色ありません。
むしろ、脂のりのよさから、トロや中トロといってもまったく過言ではない状態です。
お値段としては、他のマグロよりも多少高めになっていますが、完全養殖マグロが一般化することで、値段は低下し、さらにお手ごろ価格になることは間違いありません。
貴方のご家庭でも、完全養殖マグロが食卓にのぼるのは、今日、かもしれませんよ。
以上、「完全養殖!コープさっぽろの販売するマルハニチロのマグロを食べた。」でした!